今年のユーロドル
ユーロドルのトレンドは長いと一般的には言われていますが、今年はその事実を裏付けたことになります。
ユーロドルの正解は、結論から言うと戻り売りでした。
ただ、状況によってはロングポジションによるスイングトレードも可能だったのではないか、とも見ています。
チャートの読み方をまだ学んでいない方はまずfx初心者を確認してから進みましょう。
以下、チャートを振り返ってみましょう。
日足のトレンドライン・水平線・チャネルライン分析
ユーロドルは、トレンドラインや水平線も確かに重要ではありますが、それ以上にチャネルラインが機能した印象です。
チャネルライン(平行線)は、トレンドの波の幅が一定の時にその値動きの幅を知るためのものですが、ユーロドルの2019年相場はまさにチャネルラインによって機能していたということもできるでしょう。

サプライズはなかった2019年のユーロドル
もちろん、日中の値動きでは急騰や急落することはありました。
しかし、それは日足のチャネルラインの範囲を逸脱させるようなものではなく、むしろそうなったポイントがよい戻り売りや押し目買いのポイントとなっていました。
したがって、トレンド転換を狙ってレンジ上限でロングポジションを作ったトレーダーは、毎回予想が裏切られた格好になります。
他方で、直近安値を割ったことによるブレイク狙いのショートポジショントレードは、戻り売りトレードと比べて成功率は低かったといえます。
例え下落トレンドとはいえど、相場はチャネル加減になるとしっかり反発するからです。
したがって、トレンド転換の可能性は頭の片隅に置きながらも、トレンドに逆らわない順張りトレードが機能したといえます。
ユーロドルが急騰したタイミングの解釈
2019年のユーロドルは何回か急騰し、日足レベルのトレンドラインを植え抜けたことがあります。
しかし、最終的にはそれはブレイクもどきの「だまし」か、あるいはレンジ相場(もみ合い相場)に変わったというだけで、上昇トレンドといえるほどの勢いはありませんでした。
これには、もちろんファンダメンタル分析も働いているでしょう。
米国の金利が、欧州の金利を上回っているという状態は相当長期間に及びそうで、またユーロ圏もリスクとは無縁というわけではありません。
米欧貿易摩擦といえる状況と、米国の金利が下がったら欧州の金利も上がらないという相関関係が、ありありと日足以上のトレンドに影響した格好です。
その中で、起こった急騰というのはユーロドルに重くのしかかっている要因が若干和らいだということにすぎません。したがって、上げ相場にロングポジションで順張りしている場合であっても、「いきなり下げ相場は上げ相場にならない」「またここが週足の戻り売りポイントになるかもしれない」という考えを念頭に置く必要がありました。
戻り売りポイントの考察
戻り売りは、「下がり始めたところ」で行うのか「上がりきったところ」で行うのかによって、だいぶ手法の違いがあります。
これを直近の日足を見ながら考えてみましょう。

まず「下がり始め」の解釈は、トレンドラインで行うのが一般的です。
つまり、上昇トレンドに対してトレンドラインを引いてみて、そのトレンドラインが割れたタイミングで「下がり始めた」と解釈するのです。
ただ、万が一そこで急反発した場合は、最安値で売ってしまったことになり、上昇トレンドへの回帰に気が付いたら、早めの損切りが必要になります。
もう1つは、上昇トレンドの頂点を狙って売る方法です。
「逆張り」的手法になりますが、ユーロドルの場合はチャネルラインを基準にすればそこまでポイントを見極めることは難しくありません。
ただ、あくまで「上昇トレンド中」なので押し目を作った後、再び上昇してきたタイミングでどう行動するかが問題になります。
フィボナッチリトレースメントなどを利用して、戻りが大きくなりすぎた場合は利食いをしたり、押し目のトレンドラインで利食いをして、また次のタイミングを待ったりなどの対応をあらかじめ決めておくとよいです。
2019年ユーロドル相場と売り乗せ手法
ユーロドルは2019年中、ほとんどずっと高値を切り下げてきました。
そこで、もしも余裕がある場合にはピラミッティングも有効だったかもしれません。
ただ、最安値で売るのではなくて、戻り高値で売る必要があるためトレーダーには「ピラミッティングをしたいという衝動」を抑える必要がありました。
ただ、もしも最適なポイントでピラミッティングができていれば、もし相場が今後反転した場合でも利益はそこまで削られないのではないか、とみています。
というのは、上げトレンドやあるいはレンジ相場に転換したかどうかを判断するポイントは、戻り高値を回復したかどうかだからです。
※戻り高値を回復した段階で、最も低いレートの売りポジションは同値かそれに近いレートで撤退できます。
ユーロドルのこの重たいトレンドは、今後もしばらく続いていきそうなので「相場に乗り遅れたからロングから入ろう」と思うのではなく、トレンドに追随する考えが重要です。…